仕事 文化

ゼロベースからプレミアの未来を描く。 若手社員が挑んだ中期経営計画策定のストーリー<前編>

中期経営計画は経営の羅針盤

中期経営計画(以下、中計)とは、会社が中長期的に目指すべきあり方と、現在置かれている状況とのギャップを埋めるための計画のことで、会社の存在目的である「ミッション」を達成させるために、今後3~5年で何をするのかを示したものです。今回、策定された新しい中計は、2030年のプレミアグループの将来像を実現するための極めて重要な指針となります。
本記事は、この重大なプロジェクトの心臓部を託された若手メンバーにインタビューを行いました。
前編では、経営陣すら答えを持っていない「ゼロベース」の状況から、新中計の骨子である『オートモビリティエコシステム』という本質に辿り着くまでの葛藤のプロセスに迫ります。

PROFILE

  • 北地 歩
  • グループ成長戦略本部 戦略企画部 
  • 2021年入社

新卒入社後、カープレミア事業に関する新規性の高い営業部門にて現場経験を積む。
その後、人財採用部門を経て経営戦略企画室へ。
現在は戦略企画部にて多角的な視点を活かしたグループの中長期的な事業戦略立案に携わる。

前提を疑い「ゼロベース」で未来を描く

プロジェクトが始動したのは2025年9月です。すでに2030年へのビジョンとして“唯一無二のオートモビリティ企業”という言葉は据えられていましたが、議論はあえて「ゼロベース」で未来を描き直すことから始めました。
理由は明確で、AIの爆発的な台頭を筆頭に、2023年時点の予測と現在とでは社会の前提条件が全く異なるからです。単なる「唯一無二」という言葉を超え、より解像度の高い具体策へと昇華させる必要がありました。

代表取締役社長CEOの柴田さんから課されたのは、「経営陣にも正解はない。事業構想部(現:戦略企画部)が正解をつくり、我々を納得させてほしい」というミッション。トップダウンの枠組みを埋める作業ではなく、私たちが自ら答えを定義するところからスタートしました。

苦悩の策定プロセス

不確実な時代において、遠すぎる長期ビジョンを掲げるよりも「2030年という区切りでのやり切り」にフォーカスしようという意見は、柴田さんともすぐに合意しました。
しかし、本当の苦悩はそこからです。どの粒度の議題から手を付けるべきかすら分からない、という状態が一番苦しかったですね。
部内で何度も議論を重ね、既存事業の枠をすべて取り払い、フラットに事業案をぶつけ合う日々が続きました。「これからはTech企業の時代だ」「次世代燃料のモビリティインフラに勝機がある!」といったドラスティックなアイデアから、「既存事業の利益を4年間で2倍にするには何が必要か?」という現実的な問いまで。一見、中計策定からは遠回りに見えるほど、泥臭い現場へのヒアリングや市場調査を徹底的に繰り返しました。

カオスを突き抜け、辿り着いた本質

そんな議論と葛藤の末に、辿り着いたのが、

「変化の激しい時代、何が当たるかは誰にも分からない。ならば、『いかなる変化にも即応し、それを力に変えられる企業体力』こそが不可欠だ」

ということ。この本質に触れた瞬間が、策定プロセスにおける最大のブレイクスルーでしたね。業界全体が変革期にある中、「これをやれば絶対に勝てる」という単一の正解はありません。だからこそ、特定の事業に依存するのではなく、ユーザーや事業者のあらゆるニーズに包括的に応えられる「エコシステム(生態系)」そのものを完成させること。それこそが、あらゆる変化に対応するための最強の盾であり、矛になると確信しました。
どんな変化が起きても、中古車業界の中心に存在し続ける強い企業に必要なビジョン――それこそが「オートモビリティエコシステムの完成」でした。

プレミアグループにしか出せない「コアコンピタンス」の証明

策定にあたり最も深く議論したのが、ユーザーと事業者それぞれに対する「付加価値」の定義です。
事業者の収益を最大化させる仕組みは私たちの得意領域ですが、「ユーザーへの付加価値は何か?」という点は大きな課題でした。物価高や金利上昇が続く不透明な時代に、単なる金融や車両情報の提供に留まらない、私たちだけの価値を徹底的に考え抜きました。

それらを突き詰める過程で見えてきたのが、大手車両販売店やメーカー系販売店との違いであり、他社とは全く異なる独自のポジションを確立してきたこと自体が、私たちの最大の強みだということ。この確固たる強みが、最終的に『オートモビリティエコシステムの完成』というビジョンへ集約されていきました。

後編へ

こうして、数ヶ月に及ぶ格闘の末に「戦略の骨子」が固まりました。
後編では、この新中計が『Change & Prove』というタイトルに決まるまでの柴田さんとの裏話や、戦略の根幹を支える「人財・組織」への熱い想い、そして2030年に向けた北地さん自身の決意について迫ります。

同じカテゴリの記事